忍者ブログ

[PR]

2024.05.04 - 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  ▲ENTRY-TOP

『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』

2009.05.23 - ビジネス書
なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方 藤沢 数希

ダイヤモンド社 2006-12-08
売り上げランキング : 4075

おすすめ平均 star
star基本的な話をわかりやすく書いてくれています
star理系向け、株価の仕組み理解
star良心的な入門書

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



「投資は運である。米国のビジネススクールを卒業し、外資系投資銀行で働くエリート達が複雑な金融理論を駆使し、日々変わり続ける経済情勢を逐一観察していても、結局は儲けることができない。それは投資というものが、実力ではなく運で決まる世界だからだ。」というような株式投資の本質について、様々な事例や優しい統計学を用いて説明している。株価の決定理論についても触れており、経済学の知識が全くない人には少し理解が難しい部分もあるかもしれないが、大部分は著者のブログである「金融日記」をまとめたものなので読みやすく、総じて非常に楽しめた。
 
しかしながら、現実にはウォーレン・バフェットのようにコンスタントに株式で利益を出す人はいるのであり、その要因を一重に「運」としてしまうのはどうかと思う。ノーベル経済学賞受賞者の作った最高のヘッジファンドが巨額の損失を出した例を引き合いに出して、理論が株式投資に全く役に立たないとするのは極論である。「金融マン達が企業の適正価格を決めているからこそ、市場の普遍性が保たれているおり、その意味で彼らの存在は市場に必要不可欠なのだ」というような考え方は共感できるが。
 
株式についてだけでなく、宝くじや競馬などの身近な例も取り上げ、それらのギャンブルがいかに消費者搾取の悪物であるかについても説明しており、読者のファイナンス・インテリジェンスを高めようという意識で書かれた本である。独身の内は大手の生命保険に入るよりも共済に入った方が良い、不動産の適正価格の出し方等、実生活で応用できる知識があった。ただ、本質を捉えた本であるので、各々の内容が薄いと感じる人もいるかもしれない。大まかに金融の基礎知識をつけるくらいの気持ちで読むのが一番良いだろう。正確に話の内容を突き詰めたいという方は、巻末の参考文献を読むといい。

PR
Comment(0)   TrackBack()   ▲ENTRY-TOP

Comment

TITLE:
NAME:
MAIL:
URL:
COLOR:
EMOJI: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT:
Password: ※1
Secret:  管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

TrackBackURL  :
 プロフィール 
HN:
yd0g
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1987/02/03
職業:
学生
趣味:
音楽
自己紹介:
世界の平和を目指す一地球人。言うまでもなく甘党です。好物は明治のミルクチョコレート。"simple is the best."ですね。

もともとはコートジボワールでの滞在録でしたが、5月から一日一冊読書することに決めたので、その感想を徒然書いていこうと思います。
 最新トラックバック 
 ブログ内検索 
 カウンター 
▼ カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
▼ 最新コメント
[06/02 wacky]
[06/02 ゆーすけ]
[06/02 syakure]
[06/01 さわだ]
[06/01 ゆーすけ]