オバマ氏当選。小浜市も沸いている。
オバマ氏が大統領就任後にどのようにアメリカを変えていくのか、非常に期待したいところだが・・・・
米自動車業界のビッグ3(ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、クライスラー)の公的資金注入要求に対して、オバマ氏は「
米製造業の中軸である自動車産業の救済策に優先して取り組む」 と発言した。
しかし、ちょっと待ってほしい。
米国の自動車業界は産業の多様化とともに米経済での存在感は徐々に小さくなり、すでに国内総生産(GDP)に占める割合は3%でしかない。したがって、その影響力は銀行に比べてはるかに小さいといえる。
そのようなビッグ3を救済する必要性は本当にあるのだろうか。不景気に苦しんでいるのは、自動車業界だけではない。航空会社だって苦しんでいるし、鉄道もそうである。
そもそも米自動車業界は、日本のトヨタやホンダが品質を追及し、経済的な車を社会のニーズに合わせて作ってきたのにもかかわらず、そのような努力をほとんど行ってこなかった。その点で、今回のような危機というのは自業自得だともいえる。
銀行を救済するときにもなおざりになりがちだったが、まずはそうした経営の不手際の責任追及を行うべきだ。現に、リーマン・ブラザーズが破綻したケースでも、多くの幹部や社員たちは高額の退職金や手切れ金を手にしたといわれる(
参考)。
そうした責任追及への甘い姿勢が、今回のような銀行による無責任な経営、それに伴う経済危機を招いたことを忘れてはならない。
公的資金投入によるモラルハザードを防ぐためにも、その影響が深刻なもの以外は救済を避けるべきである。
産業そのものを救済するより、そこで働く労働者を保護する政策をとる方が良い。例えば、失業給付金を延長し、再就職のための職業訓練などに投資する。厳しいようだが、それが資本主義だ。無闇に救済すれば良いというわけではない。ビッグ3自体が破産しても、その下請け企業は日系の企業が空白を埋める形で吸収していくだろう。そうして企業は淘汰されていく。
オバマ氏が「変化」を謳うのであれば、以前から政府に頼りきってきたビッグ3にもその「変化」を与えてほしい。
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